2021.04.02 「ヒトラーとは何か」石田勇治(東大教授)。

ヒトラー

 ヒトラーは普通の人。時代が求め、人が求め、ヒトラーを作り上げていった。だれがどうやって?

 ヒトラーが脚光を浴びるようになってからは、ナチスのメディア部門がそのイメージを作り上げていった。作り上げたイメージに引きずられるとヒトラーの実像に近づけない。

 1889.4.20生まれ、56歳で自殺。30歳までは普通の人。自意識過剰、神経質、時間にルーズ。程度に違いはあれ、ごく普通の人。芸術家になりたかった。建築家になりたかった。(後年、様式美。場の演出。制服。マスゲーム。)

1.アジテーター(演説、煽動者)

 大好きだった(小泉首相も?トランプ大統領も?) 

2.レイシスト(差別主義者)

 劣等感からくると思う、何かあったんだと思う

3.反ユダヤ主義

 ユダヤ人に対する恐怖があった、そういう何かがあったんだと思う。

4.共産主義

 これもユダヤ人の陰謀につながる

恐怖2-4は、まとめられると思う。

 ポピュリスト(大衆迎合主義ではない)?保守エリートとたちとは常につながっていたし、協力を求めていた。労働左翼主義、共産主義などの新しい勢力に対して違和感を感じていたし危険を感じていた

 独善家、冷徹、日和見全体主義?カリスマ、天才?ナチス=国家社会主義政党?

 国民主義民族主義。(いいことじゃない!ナショナリスト

ドイツ国民への奉仕、ドイツ民族への奉仕を目指した。救世主=それだけドイツ国民が窮していて、苦しんでいた。ドイツ民族の苦しみを解決したいという願い。カリスマとは=表現の能力はもちろんだが、ドイツ国民の心の苦しみをくみ取り、救おうとした気持ちが惹きつけたのではないか。都市部は左翼政党が支配、農村部は見捨てられた状態で最悪の状況、そこの支持を得る。(トランプと同じだ)

■ワイマール左翼政党

 ワイマール左翼政党による政治に対する不満、悲しみ(=英仏などによる虐待、いじめ、支配)巨額の賠償金によって何十年、何百年も財産を吸い上げられる体制。時間はかかっても返していきますから、取り立て額をもう少し減らしてください、そうしないと死んでしまいます、とワイマール政府が英仏などに懇願した。ドイツ国民に対しては、デフレ、増税を求めた。国民の暮らしは苦しくなる一方。先行きの見えない絶望感。

 資本主義への不満から共産主義思想が広がる。政権政党や中道政党が力を失い、共産党や保守各党が力をつけ、議会が何も決められない、立法機能不全を起こしてしまう。この難局を打開するため、大統領による立法命令で何とかしのいでいた。(米・バイデンが勝手に大統領令を出しまくっている)国会は不要。(ナチスが野党第1党、共産党が第2党)

 当時のヒンデンブルグ大統領が、野党第1党首のヒトラーを大統領に据える。このままでは、ドイツ経済は破綻する。目的=議会制民主主義をやめる、共産党は排除しなくてはいけない、英仏から禁じられた再軍備を行う。ナチス独裁制にして、ドイツ経済を立て直す。偉大なるドイツを再び作る!(トランプと一緒)半永久的な金貸し(英米仏のユダヤ資本)の奴隷であることをやめ、独立の道を目指す

 保守の領袖たちがヒトラーを飼いならす思いでヒトラー政権はスタート。少数政党の領袖であるヒトラーを保守各党が神輿に担ぎ上げた。ワイマール憲法・非常事態命令国家の安全のために、人権を制限することができる。大統領緊急令で乱発し、共産党を取り締まる。議事堂の火事を共産党によるものと決めつけた。元々は共産党議員を捕まえる目的だったが、1945年まで警察権力を使って、不都合な人間をとらえる道具に使った。(ユダヤ人など)軍は使っていない。全権委任法成立。議長が認めない欠席者を数えない。これによって、ナチスの政策が次々と成立。ユダヤ人の公職追放。半年でナチ党以外の党がなくなる。1年半で総統というポジションを作る。(大統領+首相)かつ法律で総統をヒトラーにすると決めた。(ヒトラー独裁制の完成)

 有名学者、公務員がこぞってナチス党に率先して入党。平民宰相ともてはやす。今まではエリートによる支配だった。ユダヤ人支配。このヒトラーは普通のドイツ人の代表なのだ。失業者の激減をアピール。民族共同体。

 ベルサイユ体制からの解放。これが、ドイツ国民の喝さいを浴びたオーストリアの併合、分離していた旧国土を併合、バルト海の土地も併合これらすべて、戦争なしに実現した。だから、国民は熱狂した。つまり、諸外国との交渉で平和的に旧領土を次々と回復、拡大していった。誰もが認める英雄なのだ、とバチカン(キリストカソリック教皇)も認めた。誰もが、偉大な人物と認めていた。だから、ムッソリーニも日本も手を結ぶことが利益になると考えてを結んだ。