山田五郎さんの就職の頃の話

活版印刷は終わる、

 これからはビジュアルだと言われていた。利益が上がらなそうな本を出版しており、それができるのは、儲かっているからだろうな、ここで仕事しよう、って決めた。雑誌を作っても利益は5円くらい。100万部売って、ようやく利益が500万円出る。出版業界ってそんなもんだった。ところがバブルが来た。出版もテレビも同じ。広告が入るとそれだけで100万以上入ってきた。100万部売るだけの利益が出た。バブルで、広告載せてくださいという会社がおし寄せ、広告の単価も軒並み上がった。すっかり殿様商売になった。社員の給与は軒並み上がり、高コスト体質になってしまった。広告を載せてくださいという会社を鼻であしらっていたが、上からは、どっち見て仕事してんだよと言われた。しっかり読者を見て仕事をしろと言うのかと思ったら、広告主を大事しろと言われた。今じゃ、広告を出してくれる企業を尋ねて、土下座している。