2022.6.13 「悲劇と希望」(キャロル・クイッグリー教授)1966年 林千勝

■「悲劇と希望」(キャロル・クイッグリー教授)1966年

 クリントンが、この本を教科書として読み、大統領への目標を立てたと言われ、大統領就任式の時にも取り上げた本である。ジョージタウン大学の教科書であり、当時は、各所で教科書として取り上げられていたが、絶版。何度も再発行と絶版を繰り返している、いわくつきの本。

アメリカという国は、誰が動かしているのか(大統領ではない)

 アメリカという国を誰が動かしているのかという内容で、CFRの機密文書なども閲覧させてもらって、著書を書いている。ロックフェラーのことは書かないという約束の元に許可された。よって、モルガングループのことが中心に書かれることになった。しかし、書きすぎてしまった、と、クイッグリー教授は、一生怯えながら暮らすことになった。

■金融資本主義の権力者グループ。政治体制と世界経済を支配するシステム。

 金融資本主義の権力者には、遠大な目的があった。それは、各国の政治体制と世界全体の経済を支配することができる、個人の手による世界統制システムを構築することに他ならない。

 そのシステムは、頻繁に行われる私的で秘密の会議や会合での秘密裏の合意事項を協調して行われる世界の中央銀行によって統制されることになっていた。(FRB、日銀など)そのシステムの頂点はスイスのバーゼルにあるBIS(国際決済銀行)である。BISは、民間企業である各国の中央銀行の所有物であり、権力の頂点であるが、これもまた民間企業である。

■ピラミッドの頂点に立つ投資銀行家たち

 しかしながら、この各国の主要な中央銀行は、世界経済の支配者や権力者ではない。支配的な投資銀行家たちの、技術者に過ぎず、代理人である。支配的な投資銀行家たちは、各国の中央銀銀行家たちを育て、彼らを倒すことができる。世界の実質的な金融力は、これら投資銀行家たちが握っていたが、彼らは、自分らのプライベートバンクの舞台裏にとどまっていて表には出てこない。

■世界中央銀行システムよりも、秘密で強力な国際協力と国家支配のシステム。

 彼らは、世界の中央銀行よりも、より私的で秘密的でより強力な国際協力と国家支配のシステムを構築していた。各国の政治体制や世界の経済を支配する民間の手による、システムは、実在する。これは地球上でもっとも強力な権力者たちによる超極秘のグループである。彼らは、世界に巡らせた蜘蛛の糸のようなネットワークを介して、あらゆる世界機関、多国籍企業、国内外の主要な銀行、あらゆる中央銀行、地球上のあらゆる国民・国家、あらゆる大陸の天然資源、を支配している。彼らは、世界の全ての物をコントロールするシステムを開発している。

■世界支配システムの最終段階

 彼らは、世界支配システムの最終段階に入っている。彼らは、第一次大戦から朝鮮戦争含むあらゆる戦争の責任を負っている。多くの命を殺し、多くの資源を収奪している。彼らは、私利私欲のために、全体主義国家を次々に作り、奴隷システムを構築した。彼らは、ヒトラームッソリーニスターリンルーズベルトを育て、トップに据え、大規模な収奪状況を作り出した。この2世紀半の間に世界の富は少数の権力者に益々集中させている。この富は、世界帝国建設のために使われる。古代ローマ帝国のように、世界の人々は奴隷化することになる。

■結論は?タイトルの意味は?

 国際銀行家が支配する世界こそ“希望”であり、それに抗う人々は“悲劇”である。善意にあふれている舞台裏の黒幕が信用に足ると私たちに保証している。彼らこそ世界の「希望」である。彼らに抗う人々はみな「悲劇」である。 これが著書のタイトルのいわれである。(本当か?ロックフェラーやディープステートが許可した本なら、こういう結論にならざるを得ない。でも、将来は、我々は彼らの奴隷になるということだろう。今起こっていることもすべて、理解できる。ウィルス研究と同時に新しいワクチンを開発、マスコミと金融力で、有無を言わせずに、人体実験を敢行、それに抗う人々を徹底的に弾圧している。彼らのふざけた利権に手を触れようとする人々も徹底的に排除する(リンカーンケネディフセインプーチン習近平など)。

 きっと、暗号のように希望を埋め込んだんだと思う。だから、著者は、怯えて暮らすことになった。権力者たちを肯定するような本に見せかけて許可をもらったが、実は、違うことが発覚する。だから、発禁にされた。(彼らが気づかなければ、と願っていた、)一筋の希望の光は、こうした隠された、本当の社会の姿(歴史)を知ること、これが始まりなのだ。恐慌は人為的に起こされている、戦争だって人為的に起こされている、そうした事実は隠され、別のフェイクニュースが真実とされ、定着する。こうしたことを起こす、権力者の存在を知ること、日常を疑うこと、抵抗の気持ちを失わないこと。力をつけること、知恵をつけること。具体的なことは何一つわからないが、この先にこそ、著者の本当の、かすかな「希望」があるのではないだろうか。